腎性貧血とは、腎臓の機能が低下することで赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)が不足し、貧血が引き起こされる状態を指します。特に慢性腎臓病(CKD)の進行とともに発症しやすく、適切な治療が必要です。
腎性貧血の症状
- 倦怠感や疲れやすさ
- 息切れや動悸
- めまいや立ちくらみ
- 皮膚の蒼白(顔色が悪い)
- 集中力や判断力の低下
腎性貧血のガイドライン
日本透析医学会や腎性貧血治療のガイドラインでは、以下の基準で診断と治療が進められます。
ヘモグロビン値(Hb)
- CKD患者では10g/dL未満で治療を考慮
- 13g/dLを超えないよう調整
エリスロポエチン刺激因子(ESA)治療
腎性貧血の診断
腎性貧血は以下の検査により診断されます。
- 血液検査(ヘモグロビン、MCV、M C H、M C H C、エリスロポエチン)
- 腎機能検査(クレアチニン、eGFR)
腎性貧血の原因
- 腎臓の機能低下に伴うエリスロポエチン不足
- 慢性的な炎症による赤血球の寿命短縮
腎性貧血と鉄欠乏性貧血の違いは?
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腎性貧血 |
鉄欠乏性貧血 |
主な原因 |
腎機能低下によるエリスロポエチン不足 |
鉄分の不足 |
検査所見 |
エリスロポエチン低下 |
フェリチン低下、血清鉄低下 |
治療 |
ESA製剤 |
鉄剤補充、食事療法 |
腎性貧血の食事
- 鉄分を多く含む食品(レバー、赤身の肉、魚、ほうれん草、大豆製品)
- たんぱく質の適度な摂取(腎機能を考慮しながらバランスよく)
- ビタミンCの摂取(鉄の吸収を助ける:柑橘類、ピーマン)
- リンやカリウムの管理(腎臓の負担を軽減するため制限が必要な場合も)
腎性貧血の治療
- エリスロポエチン刺激因子(ESA)製剤の投与
- 腎機能の維持(食事療法、透析管理)
腎性貧血は慢性腎臓病の進行とともに発症しやすく、適切な治療が重要です。
気になる症状がある場合は早めに医師に相談し、適切な検査・治療を受けることをおすすめします。当院では、最新のガイドラインに基づいた診断・治療を提供しています。