鉄欠乏性貧血とは?
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足することで赤血球の産生が低下し、酸素の運搬能力が低下する貧血の一種です。特に女性や成長期の子どもに多くみられます。中には献血のしすぎでなってしまうという方もいらっしゃいます。
鉄欠乏性貧血の症状
- 疲れやすい、倦怠感
- めまい、立ちくらみ
- 息切れ、動悸
- 顔色が悪い(蒼白)
- 爪が割れやすい、スプーン状になる
- 舌の炎症(舌炎)、口内炎
- 氷や、普段そのままでは食べないような食べ物が食べたくなる
鉄欠乏性貧血の症状チェック
以下の症状が複数当てはまる場合、鉄欠乏性貧血の可能性があるため、医療機関での検査をおすすめします。
- 慢性的な疲れを感じる
- 立ち上がるとめまいや息切れがする
- 爪の異常(反り返る、割れやすい)
- 冷え性がひどい
- 舌や口内に違和感がある
鉄欠乏性貧血の原因とストレスの関係
鉄欠乏性貧血の主な原因には、鉄分の摂取不足、月経、消化器系の出血、妊娠・授乳などがあります。また、ストレスが影響して胃腸の働きが低下すると、鉄の吸収が悪くなることがあります。
鉄欠乏性貧血の判断基準
診断には血液検査が必要で、以下の数値を基準に判断されます。
- ヘモグロビン(Hb):12g/dL未満(女性)、13g/dL未満(男性)
- 血清フェリチン:鉄の貯蔵量を示し、30ng/mL未満なら鉄欠乏が疑われる
- 血清鉄:50μg/dL未満で低下している場合、鉄欠乏が考えられる
鉄欠乏性貧血のガイドラインと検査値
日本の医療ガイドラインでは、鉄欠乏性貧血の診断と治療は以下の基準で進められます。
- ヘモグロビン値とフェリチン値を測定
- 鉄剤の投与と維持療法
- 原因が消化管出血などの場合は追加検査を実施
鉄欠乏性貧血を放置すると?
鉄欠乏性貧血を放置すると、慢性的な倦怠感や集中力の低下が続き、心臓への負担が増え、心不全を引き起こすリスクもあります。また、妊婦の場合は胎児の発育に影響を及ぼす可能性があります。
鉄欠乏性貧血の入院基準
重度の鉄欠乏性貧血で以下の症状がある場合、入院治療が必要になることがあります。
- ヘモグロビン値が7g/dL未満
- 強い動悸や息切れ
- 意識障害、めまいによる転倒リスク
鉄欠乏性貧血の食事療法
鉄欠乏性貧血の予防・改善には、鉄分を多く含む食品を意識的に摂取することが大切です。
- ヘム鉄(吸収されやすい鉄):レバー、赤身の肉、魚
- 非ヘム鉄(吸収されにくい鉄):ほうれん草、大豆製品、卵
- 鉄の吸収を助ける栄養素:ビタミンC(柑橘類、ピーマン)、たんぱく質(肉、魚、卵)
- 鉄の吸収を阻害する食品:コーヒー・紅茶(タンニンを含むため食後に飲むのは避ける)
鉄欠乏性貧血を疑ったら当院へ!
鉄欠乏性貧血は、適切な食事療法と鉄剤の補給で改善が可能な病気です。
慢性的な疲労やめまいなどの症状が続く場合は、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。当院では、鉄欠乏性貧血の診断・治療を行い、患者さんの健康をサポートしています。