- 医院名
- 伸寿記念クリニック
(しんじゅきねん くりにっく) - アクセス
- みなとみらい線「みなとみらい駅」徒歩8分
みなとみらい線「新高島駅」下車徒歩7分 - 診療内容
- 内科 小児科 血液内科
- 住所
- 〒220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい6丁目3−6
オーケーみなとみらいビル 1階 - 診療時間
-
診療時間 月 火 水 木 金 土 日祝 09:00-19:00 ★ ● ● ● ● ● ● ★:平日の月曜日のみ8:30~12:00
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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09:00-19:00 | ★ | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
★:平日の月曜日のみ8:30~12:00 |
風に当たるだけでも痛い痛風という病気をご存知でしょうか?
典型的には特段ぶつけてもいないのに足の親指の付け根が赤く腫れて歩けないほどズキズキ痛むという症状が出る病気として知られています。
ここではその痛風の原因となる尿酸についてわかりやすく解説し、高尿酸血症を予防するための方法と、万が一痛風の発作が出てしまった際の対処法について順を追って説明していきます。
最後には偽痛風という似た名前の病気についても紹介してみようと思います。
さて、そもそも「尿酸」ってなんでしょう?
尿酸という名前は、この物質がもともと尿の中から発見されたことに由来します。
我々の体は元を辿ればたった一個の細胞から生まれており、その細胞がタイミングよく増えることでヒトの体を形作っています。
すべての細胞にはそのヒト固有の情報が刻まれているのですが、それを遺伝情報と呼びます。
その遺伝情報をコードしている物質にはDNAやRNAが知られており、総称して核酸と呼ばれます。
核酸にはプリンという物質が含まれており、プリンを含む物質をプリン体と呼びます。
これらが代謝されて生じる最終産物が尿酸なのです。
我々の体は常に古い細胞を壊して新しい細胞に置き換えるという新陳代謝を全身で行っているのですが、細胞が壊れたときには同時にその細胞に含まれていたDNA、RNAが分解されて尿酸が生じ、腎臓から尿中に排泄されます。
つまり、尿酸とは我々の活動にあわせて日々当たり前のように産み出されている生体物質の一つなのです。
プリン体は細胞の中にあるものですから、動物・植物いずれの食品からも体内に入ります。
我々の細胞が元気に活動するために必須の物質ですので、日々の食事から適切に摂取する必要があるのです。
食事中のプリン体は主に肝臓で分解されて尿酸となり、一時的に体内に溜め込まれた後、尿や便として排泄されます。
1日に体内で産生される尿酸はおよそ700mgです。
1日で排泄される量も700mgなので、体内の尿酸は常に一定の量(健康成人男性の場合およそ1,200mg)に保たれており、これを「尿酸プール」と呼びます。
この尿酸という物質は水に溶けるので尿や便に効率よく排泄されるのですが、物事には限界があり、あまりに尿酸が豊富になりすぎてその濃度が高くなりすぎると、結晶として析出してしまいます。
日本でも昔、海水の水分を飛ばして塩を作っていたのと同じ原理で、尿酸も濃度が高くなりすぎると溶けきれなくなって結晶化してしまうのです。
1dL当たりの血液中の尿酸(尿酸値)が溶解限界の7.0mgを超えると少しずつ結晶がいろんなところで出来始めます。
この結晶は先端が鋭利な槍のような形状をしています。
典型的には足の親指の付け根に溜まりやすく、できた結晶の沈着がある程度増えると、赤く腫れて強い痛みを出します。
これが痛風なのです。
尿酸値が高い状態が続くと痛風のほかに、尿路結石や腎不全などの合併症に繋がりますので早めに医療機関を受診した方が良いでしょう。
痛風発作が治まって痛みが引いても、関節に尿酸塩結晶がある限り痛風は再発する恐れがあります。
一度痛風を経験したことがある方はお分かりいただけると思いますが、二度と経験したくないような激痛である場合が多いので、急性期の痛みをしっかり取り除いた後は、再発予防に努める必要があります。
運悪く痛風発作が起きてしまった際にはコルヒチンという薬が特効薬として昔からよく使われてきました。
この他に非ステロイド系消炎鎮痛剤を内服や外用で用います。
通常1週間程度かけて痛みは次第に改善します。
その後は再発予防のために尿酸値を6.0mg/dL以下に抑える必要があります。
なぜなら、尿酸の血中濃度を下げないと、関節内に溜まった尿酸塩結晶が再び溶けて無くならないからです。
高尿酸血症の方は、同時に高血圧や肥満などの生活習慣病も指摘されていることが多いです。
高尿酸血症も生活習慣に密接に関わっていることが多いため、予防にはまず生活習慣を見直しましょう。
具体的には以下のような対策が挙げられます。
高尿酸血症の患者さんでは、そのバランスが崩れていて、尿酸の素となるプリン体を摂取し過ぎているか、尿酸が過剰に作られすぎているか、尿酸が体外に排出されにくくなっているか、のいずれかが起きてしまっているのです。
そこで、食事内容を見直していただいてプリン体の摂取量を抑えた上で、体内で作られる尿酸をお薬で抑えたり、体外(尿中)に排出される尿酸量を増やすお薬を使用したりして崩れた体内の尿酸量のバランスを元に戻すような治療戦略を取ります。
すでにお薬を処方されて服用されている方であれば、一度どんな機序で効果を出すお薬なのか処方医に確認してみても良いでしょう。
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