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血小板数の異常

健康診断で血小板の数が基準より多かった、または基準より少なかったという指摘を受けましたか?

血小板はわれわれの体に出血が起きた際、血管にできた傷に一番初めに集まってきて止血してくれる重要な血球です。

そもそも血小板は骨のど真ん中にある骨髄という場所に住みついている巨核球という血球の端っこがちぎれて血中に飛び出てきたものです。

巨核球がちぎれてできた血小板ですが、その数が多すぎると血が固まりやすくなりすぎてしまい結果として血栓症を起こすことになります。

逆に血小板の数が少ないと出血が起きた時に血が止まりづらくなり、いたるところで出血を起こしてきます。

ここでは血小板数に異常を指摘された際、どのような診断や治療が行われるのか分かり易くお話ししようと思います。

血小板数の減少が認められた時

血小板数が少ないと場合によってはすぐに致命的な出血に至ります。

まずは医療機関を受診してください。

原因

血小板数の減少はさまざまな原因によって起こり得ます。

特発性血小板減少性紫斑病

中でも有名な特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症)では、場合によっては風邪などをきっかけに急激に血小板数の低下が認められ、身体中に皮下出血(青~紫色のあざで指で押しても消えないが、痛くもない)が認められるようになります。

大きな皮下出血がぶつけてもいないのにいくつもできるような状態であれば、血小板数は1万/μL以下にまで落ち込んでいることも稀ではありません。

そこまでいくと自然に回復するのを待つ余裕は通常ありませんので、入院してステロイドの点滴または内服、場合によっては免疫グロブリンという輸血製剤を点滴し、原因となっている抗血小板抗体の働きをおさえたり、中和したりする必要があります。

抗血小板抗体ができてしまっている状態では血小板が少ないからといって血小板を輸血したとしてもすぐに壊されてしまうため、血小板の輸血は控えることもあります。

その後、順調に回復すればステロイドをやめることもできますが、うまくいかない場合には他の注射薬や内服薬を併用または切り替えたりします。

治療の反応性が乏しければ原因となっているBリンパ球をやっつける治療を点滴で行なったり、血小板の分解を担当している脾臓という臓器を手術で摘出しなければいけないことさえあります。

もちろん血小板減少の原因はそれだけではありません。

お薬の副作用

他にもさまざまな要因があるのですが、たとえば別の病気に対して何らかのお薬をすでに服用されているような方であればそのお薬の副作用で血小板数が減少している可能性もあります。

その際には血小板減少の程度によってはお薬の内容を変更する必要があるでしょう。

自己免疫性疾患

また、本来外部からの侵入者(最近やウイルスなど)から身を守っている「抗体」というタンパク質が誤って自分自身の体を攻撃してしまう自己免疫性疾患と呼ばれる状態になると、血小板が減少する事があります。

これには全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症といったあまり馴染みのない病気などが含まれます。

肝硬変

さらに、肝臓の調子が悪い方、特に肝硬変と言われている方では血小板数は減少します。

これは、肝臓が硬くなってしまっているために肝臓に流れ込むはずの血流が流れ込めずに副路として脾臓へ流れこむため脾臓が腫れてしまい、結果として脾臓における血小板の分解が促進されるためです。

ウイルス感染症

また、風邪などのウイルス感染症が悪化した時には一時的に血小板数が減る事がありますが、そのような場合には症状が良くなると血小板数も回復してきます。

家族性血小板異常症

他にも、ご両親やお子さんにも血小板数の減少や血液の病気が認められている場合には遺伝性の家族性血小板異常症という稀な疾患が背景にある可能性もあります。

その際は遺伝カウンセリングも含めてお話をさせていただく必要が出てきます。

いずれにせよ、血小板の数が極端に少ないと大きな出血につながる可能性が高くなります。

血小板数が少ないという指摘を受けたら迷わず医療機関を受診するようにしましょう。

血小板数の増加が認められた時

血小板数の増加は通常健康診断で見つかります。

増加の程度が軽度であれば治療という面ではあまり問題となることは無いのですが、中には血液の病気が隠れている事があるため注意が必要です。

原因

軽度の増加であれば、喫煙が原因となることもあります。

また、体の中に炎症が起きていると血小板は反応して増加しますので、細菌やウイルスによる感染症の際には血小板数は増加する傾向があります。

また、関節リウマチや潰瘍性大腸炎といった慢性炎症性疾患に罹患しているときも血小板数は増加することがあります。

さらにがん患者さんでも血小板数は増加している傾向があります。

その他、出血の際や鉄欠乏の際にも血小板数は増加することが知られています。

診断

このように血小板数の増加はさまざまな原因でおこりますので、血液検査をして血小板数の増加が認められた際には、丁寧に診察を行うことで診断をつけていきます。

採血だけではわからないこともありますので、場合によっては骨髄の検査をお願いすることもあります。

特に、血小板の数が100万/μLを超えているようですと、血液の病気が潜んでいる可能性が高くなりますので骨髄検査が重要になります。

血小板数の増加を指摘されたら、一度医療機関に相談された方が良いでしょう。

健康診断で異常を指摘されたときは、医療機関を受診しましょう

血小板数の異常はこのようにさまざまな原因でおきてきます。

ここでは分かりやすさを優先して、「血小板は減ると血が出やすくなる、血小板が増えると血栓ができやすくなる」というように話を単純化しましたが、実は、血小板数は150万/μLくらいまでは増加とともに血栓ができやすくなるのですが、それを超えると逆に出血を起こしやすくなることが知られています。

これは血小板数が極端に増えてしまうとフォン・ウィルブラント因子というタンパク質を浪費してまうせいなのです。

フォン・ウィルブラント因子は血管が傷ついた際、傷ついた場所に血小板を粘着させる糊のような働きをするタンパク質ですので、血小板数が極端に増えてフォン・ウィルブラント因子が消費されてしまうと、傷ついた血管に血小板がうまくくっつくことができなくなるため出血しやすくなるのです。

このように血小板は大変に奥の深い世界なのです。

診察で原因がわかれば対処することもできますので、ぶつけてもいないのに体にアザができるようになったり、健康診断で血小板数に異常を指摘されたら放置せず、医療機関を受診するようにして健康な毎日を過ごしましょう。

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